GoAngelで始めるクラウドファンディング
非上場会社でも年間1億円を上限として、インターネットで公募増資ができるため、資金調達の新たな選択肢として、社会貢献意欲のある中小企業から期待が寄せられています。
株式投資型クラウドファンディングのメリット・デメリット
GoAngelは、DANベンチャーキャピタルの投資家審査を通過した投資家による、経営理念や事業の社会性に共感できる会社への投資を、「株式投資型クラウドファンディング」と呼ばれる新しい仕組みでつないでいます。
発行会社向けの豊富な支援サービス
「サポートパートナー(SP)」という支援者ネットワークを構築し、GoAngelで資金調達を行う会社向けに、きめ細やかなサポートをご用意しています。
GoAngelに関するFAQ
- GoAngelでは、募集できる資金調達額にリミットはありますか?
- GoAngelでは、金融商品取引法に定める「第一種少額電子募集取扱業務」として募集が行われます。ここでいう「少額」とは、年間1億円未満の募集であり、かつ投資者一人当たりの投資金額が50万円以下であることとされています。
- GoAngelで増資した結果、外部株主が増えると、創業者のシェアが落ちて、経営の安定性が失われませんか?
- GoAngelで株式の募集を行うに当たっては、合理的な株式の価値評価を行うことを前提としております。またその金額については創業経営者に合意をいただくこととなっています。例えば、創業者が株式の100%を保有している会社で、設立時の出資額が1千万円。1株あたり1,000円で発行済み株式数が1万株の会社を想定しましょう。
GoAngelで、仮に1株1,000円の株価で2千万円を募集すると、新たに発行する株式は2万株。創業者のシェアは33%に低下してしまいます。ところが、株価を1,000円ではなく、1万円として2千万円の募集を行えば、新たに発行する株式数は2千株で、1万株を保有する創業者は83%を維持できることになります。
非上場会社の株式の評価方法には様々な方法がありますが、会社の発展性を事業計画で評価するGoAngelでは、将来会社が得るであろう利益やキャッシュフローを基礎に企業価値を評価します。株価1万円の場合の株主価値(時価総額=株式の100%を買った場合の金額)は、1万円×1万株で1億円です。単純な計算では、毎年1千万円のキャッシュフローをあげる力のある会社は10年間継続できれば1億円の価値となるという計算が可能です。このような株価算定と資本政策を創業者と協議した上で募集条件を決定しますので、いたずらに経営者のシェアが下がる心配はありません。 - 当社では、当社のファンのお客様のみを対象として株主を募集したい考えですが、お客様限定で募集をすることができますか?
- 株式投資型クラウドファンディングの制度は、不特定多数の投資家を対象とする公募を前提としているため、限定された特定の第三者だけを対象とした募集はお取り扱いできません。(日本証券業協会)
- GoAngelでは社債の募集はできますか?
- 金融商品取引法で第一種少額電子募集取扱業務の対象となる有価証券は、株券又は新株予約権に限定されており、社債(新株予約権付社債を含む)の募集取扱はできません。
- GoAngelでの資金調達のために、どのくらいのコストが必要ですか?
- GoAngelを運営するDANベンチャーキャピタルでは、募集取扱手数料を投資者が負担する仕組みです。例えば2千万円の増資を1株10万円で200株発行するとしましょう。募集手数料率を10%とすると、投資者がDANベンチャーキャピタルに払い込む金額は1株あたり11万円となり、このうち10万円が会社に入金することになります。総額では2千万円の増資の外枠で2百万円の手数料がDANベンチャーキャピタルに支払われ、会社が負担するコスト(損益計算書上の費用)はありません。
一方、会社が負担するコストとしては、開示する事業計画やIR情報等の作成に関するコストがあります。IR動画の制作も必要となります。公認会計士や税理士に支払う株価算定費用や、DANベンチャーキャピタルが求める「中小企業の会計に関する基本要領の適用に関するチェックリスト」の確認業務報酬などがあります。これらについては個々の企業の状況や委託する業務の範囲によって異なりますが、概ね50万円~100万円の範囲内と考えられます。 - 当社は創業したばかりで、まだ決算を迎えていませんが、GoAngelで資金調達はできますか?
- GoAngelでは、日本証券業協会より発行会社の財務内容についての審査が求められています。決算期を迎えていない会社について財務内容の審査ができないわけではありません。
- 当社は前期に創業し、前期の決算の売上はゼロです。当期に入って売上が上がる予定ですが、GoAngelで株式の募集は可能でしょうか?
- GoAngelでは、日本証券業協会より発行会社の事業の実在性についての審査が求められています。売上がゼロであるからといって事業の実在性が審査できないわけではありませんが、GoAngelでは、少なくとも直前期の決算において売上高が計上されていることについて、事業の実在性の要件としています。当期において売上が上がるのであれば、その売上を計上した決算後にGoAngelで株式を募集することができます。
- 当社は前期決算が赤字で、債務超過となっていますが、GoAngelでの募集は可能ですか?
- GoAngelにおいては、財務内容の審査において赤字であることや債務超過であることをもって募集取扱を不可とするものではありません。一方、赤字であることや債務超過であることは投資者にとってリスクであることからリスク情報として開示を求めるとともに、今後、赤字が継続し、債務超過が拡大する等の状況が審査過程で明らかになった等の場合は取扱ができない場合があります。
- 当社ではグループ経営で、代表者がいくつかの会社を所有していますが、このうち一つの会社で、GoAngelでの資金調達ができますか?
- 中小企業においては、創業者が複数の会社を経営するケースが少なくありません。この場合、そのうち一つの会社がGoAngelで募集した場合、その資金が他の会社に還流してしまうリスクが懸念されます。あるいは他の会社との間の取引関係において利益操作が可能なことも投資者のリスクとなります。募集取扱にあたっては、少なくともグループ会社間における資金の融通の状況とGoAngelにおいて募集する株式の資金使途との関係を十分に吟味するとともに、グループ会社間の取引、債権債務関係等について審査を行うことになります。投資者にとってリスクとなることは、リスク情報として開示を求めるとともに、募集に当たっては、必要に応じて取引関係や債権債務関係について一定の整理を求めるケースや、DANベンチャーキャピタルが誓約書を徴求するケースが想定されます。
- GoAngelの投資家はどのような方々が想定されますか?
- GoAngelは、公募増資ですので、誰でも会員登録できれば投資参加が可能です(ただし、DANベンチャーキャピタルの取引開始基準に適合する必要があります。)。ただし、GoAngelでは、「拡大縁故募集」をコンセプトとして株主の募集を行っています。したがって、参加する投資家の多くは、企業に対して共感や支援の気持ちをもった身近な応援団と言ってよいでしょう。
- 一般の証券市場で株式投資を行っている個人投資家は参加しないのですか?
- 一般の証券市場で株式投資を行っている個人投資家の方も投資にご参加いただくことはできます。ただ証券市場でアクティブに投資を行っている方は100万人に満たないと言われているほか、3,650銘柄が上場する日本の証券市場で、個人投資家が主に投資するのは有名な上位銘柄になり、中小規模の上場企業に投資をする方は限られます。
非上場の中小企業・ベンチャー企業に関心を持つのは、将来の株式上場を期待する一部の投資家に限られると考えられます。
もっとも株式投資型クラウドファンディングは、日本証券業協会の規則において「金銭的利益の追求よりも発行者に対する共感または支援を旨とすべき」ことが示されています。証券市場と異なり売買できる場がありませんので、真に発行会社の事業に共感して支援をしようとする心ある投資家がいれば投資参加することもあると思われます。 - 拡大縁故募集について詳しく教えてください。
- 米国ではFamily and Friends Financeなどと呼ばれることがありますが、発行会社の関係者や知り合いを対象に募集することを「縁故募集」と言います。拡大縁故募集は縁故募集の概念を拡大し、これまでご縁のあった方々を対象に幅広くファンとしての株主を募る方法です。金融商品としての上場株の売買に継続的に参加する個人投資家は100万人足らずと言われるます。
一方、上場株に投資をしない人でも、自分の子供や親友から出資を求められれば、金額によっては考える方は多いでしょう。その投資の意思決定は金銭的なリターンの期待や損失リスクというよりも、人間の関係性の近さであることは、理解できます。
非上場の中小企業の株式募集にあたっては、金銭的な利益を追求する投資家よりも、関係性の近い方を対象に募集を行った方がはるかに確実に、しかも暖かい心ある資金を集めることができるのです。GoAngelでは、登録企業の募集力審査を行っています。それは企業のネットワークの広さであり、広ければ広いほど、資金調達可能額は大きくなります。
なお、日本には米国のように起業家育成を担う真のエンジェルは少ないと言われていますが、そのようなエンジェルを日本に育てることも当社の願いです。やがては多くのエンジェルがGoAngelを通じて株主として参加いただき、新たなご縁が拡がることに、拡大縁故募集の意味を発展させていきたい考えです。